立ちキャラ作成用画像について
予備知識
retouchでは、登場する全てのキャラに識別用のIDが割り振られ、これをcharacterID(キャラID)と呼びます。 0〜2はシステムで予約されているため、ユーザーが任意に使えるIDは3以上です。3から連番で取り扱ってください。
一般に、3にプレイヤー、4にヒロインを登録することが多いようです。
retouchでは、立ちキャラを「body替え」と「表情替え」に分類して処理します。
body替えとは、「立ちデータのマスク形状が変化する重ね」であり、表情替えとは、「立ちデータのマスク形状が変わらない重ね」です。
characterID/bodyID/faceIDについてはキャラクターを識別する3つのIDを参照してください。
立ちキャラ作成用画像作成時の注意点
奥行きを使った演出を行うために、同じポーズでも大きさの違う立ち画像を利用することがあります。 sketch/ExHIBITでは、アップ〜ロングまで、主に5種類のサイズ違い画像を利用することが多いようです。 その場合、それぞれのサイズの原画像からの縮小率が必要になります。
画像作成に使うPSDの構造 (download psd)
参考:そこから作成された立ち作成用画像 (download)
従って、少なくとも同一キャラクターのbody替えは、同一の縮小率で取り扱えるよう、 線画の時点で大きさを調節して、同一サイズのPSD上で彩色してください。
ポーズが同じなら、帽子を被っていようと高下駄を履いていようと、大きさを揃えつつ、同じ大きさのPSD上で作成しておきましょう。 そうした場合、帽子を被っていないものは頭上に空白が入ってしまうわけですが、無駄な領域は最終的にツールがカットしますので心配ありません。
PSDのサイズと各ボディの大きさを統一しておくことで、ボディの縮小率や標準配置位置を1つだけ求めれば、同一ポーズ全ての設定が終わることになり、後々非常に楽になります。 さらに、別のポーズも同一サイズのPSD上で、頭身や踵をあわせて線画をサイズ調整してから彩色しておくと、後の作業が飛躍的に楽になります。
左に、最終的なファイル(後述する、PファイルやFファイル)を作成するためのPSDの定型レイヤー構造を示します。
実際に、左図のPSD画像を利用して立ちキャラ作成用画像を作成する具体例は、 photoshopのアクションとtoolを使って簡単にキャラファイルを作る方法をご覧下さい。
概要
本ドキュメントは、retouchで立ちキャラデータを作る際に用意する画像ファイルとそのファイル名について解説してあります。
画像データは統一された可逆フォーマットで、展開可能なら何でも構いませんが、フルカラーやパレットデータを同じフォーマットで取り扱える、bmp か png を利用します。 ただし、立ちのサイズ違いが増えると、立ちのパターン自体は少なくても爆発的に画像データが増え、 bmp のままでは取り扱いが難しくなるほど巨大なデータになることもしばしばですから、特別な理由がない限りpngを使うのが良いでしょう。 たとえば、ある中規模タイトルで使用した立ちはbmpだと約40GB、pngだと約2GBでした。以下の解説は、pngでしてあります。
立ちキャラ作成用画像データのファイル名は、一般に次の形式を持っています。
4桁のキャラID.4桁のボディID.ファイル識別記号.3桁のSUBID_0[.3桁のSUBID_1].png
このうち、ファイル識別記号は1文字の半角アルファベット大文字で、次のものがあります。
  • P 基本ボディ (Pattern)
  • F 表情 (Face)
  • E 目パチ (Eyes)
  • M 口パク (Mouth)
また、SUBID_1は、Fには存在しません。
具体的に用意しなければならないファイルの例は、このドキュメントの後半にあります
P識別記号
例えば、キャラクターID3のキャラを考えましょう。
ボディIDが0の基本立ち画像は、0003.0000.P.000.000.png となります。 P識別記号の、SUBID_0 は、基本ボディのレイヤーIDを表します。sketch出扱えるボディレイヤーは現在の所
  • 画面奧
  • 0. 体本体
  • 2. 拡張領域。体と目パチ口パクの間
  • 3. 目パチ
  • 4. 口パク
  • 1. 拡張領域。目パチ口パクの前
  • 画面手前
となっています。これはパートアニメーション(耳が動くとか髪が動くとか)が利用される場合大きな意味を持ちます。 左側の数値は、キャラ独自のレイヤー(ExHIBITの一般的なレイヤーとは異なります)のIDです。歴史的事情で、奧から順番に並んでいません。
なお、アニメーションのマスクデータは、立ち画像のマスクデータに上書きするタイプです。したがって、LAYER-2のアニメーションが目パチや口パクにかかる場合は、 アニメーションのマスクデータで対処することが出来ないため、その部分を特別に用意したマスク画像で抜き取ることが出来ます。
例えば 0003.0000.P.002.???.png にそういったマスクが必要な場合、00030000P002c.png という名称で そのファイルを用意することで、アニメーションの描画時にこの画像がマスクとして適用されるようになります。
P識別記号の、SUBID_1 は、そのアニメのパターン番号を表します。例えば、SUBID_0が1番のアニメーションが4パターンのループになっているとすると、
0003.0000.P.001.000.png 1枚目の画像データ
0003.0000.P.001.001.png 2枚目の画像データ
0003.0000.P.001.002.png 3枚目の画像データ
0003.0000.P.001.003.png 4枚目の画像データ
となります。
例えば4パターンのボディ用アニメーションは、何もしないと"A.B.C.D."というシーケンスで動作しますが、 任意のシーケンスを初期化時およびコマンドで任意のタイミングで与えることが出来ます。 retouchの標準シーケンス表記についてはこちらを参照して下さい。
非同期にループで動作させることも、あるタイミングで1度だけ動かすことも自在です。
Pファイルには必ずマスクデータが存在しますが、そのファイル名は、Pファイルのファイル名の最後にアンダースコアがついたものになります。 具体的には、
0003.0000.P.000.000.png のマスクは、0003.0000.P.000.000_.png となります。
これはretouchの画像データの慣例です。 したがって、対象ファイルの最後にアンダースコア( _ )がついている画像データは全てアンダースコア無しのファイルのマスクデータであると考えて構いません。
なお、ボディがアニメーションする場合、…P.000.xxx.png には全てマスクデータが存在します。 それらの名称も、…P.000.xxx_.png となります。
F識別記号
表情替え用のデータを表す記号で、SUBID_0 はfaceIdです。SUBID_1 はありません。
表情替えは1ボディに1個以上存在します。表情替えがない(と思われる)場合でも、標準の顔が存在するので、faceId-0のファイル(….F.000.png)は必ず必要になります。
例えば、キャラクターID3のキャラのボディ0に表情替えが3パターンあり、それぞれ、0.標準 1.笑顔 2.照顔だとすると、 それぞれのファイル名は、
0003.0000.F.000.png 標準顔。通常 0003.0000.P.000.000.png と同じもの。
0003.0000.F.001.png 笑顔。通常…P.000.000.png に笑顔を重ねたもの。
0003.0000.F.002.png 照顔。同上。
となります。
E識別記号
1個のfaceIdに対して、1種類の目パチを定義できます。目パチが存在しない場合、このファイルはありません。 コンバーターではこのファイルの有無で、目パチの有無を決定しています。
SUBID_0 は、対応するfaceId。SUBID_1 は、アニメーションのパターン番号で、0〜がシーケンスのA〜に対応しています。
0003.0000.E.000.000.png faceId-0用の目パチアニメ1枚目。
0003.0000.E.000.001.png faceId-0用の目パチアニメ2枚目。
0003.0000.E.000.002.png faceId-0用の目パチアニメ3枚目。
目パチのシーケンスは、パターン数にあわせて自動で設定されますが、初期化時に任意のパターンを設定することも出来ます。 ただし、同時に3人が登場した場合など、自前で1パターンのみを定義した場合は同じタイミングで目パチしてしまい、 変な状態になります。自動定義に任せると同時に登場した場合でも別々のパターンを設定してくれますので、自分で設定することは希でしょう。 なお、retouchの標準シーケンス表記についてはこちらを参照して下さい。
目パチは非同期のループアニメーションとしてLAYER-3に作成されます。
M識別記号
1個のfaceIdに対して、1種類の口パクを定義できます。口パクが存在しない場合、このファイルはありません。 コンバーターではこのファイルの有無で、口パクの有無を決定しています。
SUBID_0 は、対応するfaceId。SUBID_1 は、アニメーションのパターン番号で、0〜がシーケンスのA〜に対応しています。
0003.0000.M.000.000.png faceId-0用の口パクアニメ1枚目。
0003.0000.M.000.001.png faceId-0用の口パクアニメ2枚目。
0003.0000.M.000.002.png faceId-0用の口パクアニメ3枚目。
口パクのシーケンスは、パターン数にあわせて自動で設定されますが、初期化時に任意のパターンを設定することも出来ます。 retouchの標準シーケンス表記についてはこちらを参照して下さい。 口パクは、リップシンクアニメーションとして、LAYER-4に作成されます。従って、音声のない間は動きません。
具体例1 (目パチなし・口パクなし・ボディアニメなし)
ここではキャラクターID4番のキャラが、3つのボディ(0-2)をもち、それぞれに表情変えを3パターン、2パターン、4パターンを持っている場合のファイル構成を示す。
0004.0000.P.000.000.png ボディ0の基本パターン。表情は表情0と同じ
0004.0000.P.000.000_.png ボディ0のマスク。ボディの定義から、必ず1ボディ1マスク。
0004.0000.F.000.png 表情0。この画像は0004.0000.P.000.000.pngとまったく同じ
0004.0000.F.001.png 表情1
0004.0000.F.002.png 表情2
0004.0001.P.000.000.png ボディ1の基本パターン。表情は表情0と同じ
0004.0001.P.000.000_.png ボディ1のマスク。ボディの定義から、必ず1ボディ1マスク。
0004.0001.F.000.png 表情0。この画像は0004.0001.P.000.000.pngとまったく同じ
0004.0001.F.001.png 表情1
0004.0002.P.000.000.png ボディ0の基本パターン。表情は表情0と同じ
0004.0002.P.000.000_.png ボディ0のマスク。ボディの定義から、必ず1ボディ1マスク。
0004.0002.F.000.png 表情0。この画像は0004.0002.P.000.000.pngとまったく同じ
0004.0002.F.001.png 表情1
0004.0002.F.002.png 表情2
0004.0002.F.003.png 表情3
具体例2 (目パチあり・口パクあり・ボディアニメなし)
キャラクターID4番のキャラが、1つのボディをもち、それぞれに表情変えを2パターンを持っている。 また、ボディ0−フェース0の目パチ・口パクはそれぞれ3パターン、ボディ0−フェース1の目パチなし・口パクは2パターンの場合。 2つ以上のボディを持つ場合は、具体例1をあわせてご覧下さい。
0004.0000.P.000.000.png ボディ0の基本パターン。表情は表情0と同じ
0004.0000.P.000.000_.png ボディ0のマスク。ボディの定義から、必ず1ボディ1マスク。
0004.0000.F.000.png 表情0。この画像は0004.0000.P.000.000.pngとまったく同じ
0004.0000.E.000.000.png 表情0の目パチ1枚目。この画像は0004.0000.F.000.pngとまったく同じ
0004.0000.E.000.001.png 表情0の目パチ2枚目。
0004.0000.E.000.002.png 表情0の目パチ3枚目。
0004.0000.M.000.000.png 表情0の口パク1枚目。この画像は0004.0000.F.000.pngとまったく同じ
0004.0000.M.000.001.png 表情0の口パク2枚目。
0004.0000.M.000.002.png 表情0の口パク3枚目。
0004.0000.F.001.png 表情1
0004.0000.M.001.000.png 表情1の口パク1枚目。この画像は0004.0000.F.001.pngとまったく同じ
0004.0000.M.001.001.png 表情1の口パク2枚目。
具体例3 (目パチあり・口パクあり・ボディアニメあり)
キャラクターID4番のキャラのボディ0のフェース0に、3パターンの目パチと、3パターンの口パクがあって、かつネコミミが6パターンでぴょこんと動く場合。 ネコミミ部分はLAYER-2に作成する。ボディ上のレイヤーID(この場合の2)については先述のP識別記号を参照。 また、ネコミミの移動パターンが表情変え時、眉毛に重なるため、その部分を抜く用途でマスクも用意する。
フェース1以降はfaceId部分が変更されるだけなので省略。
0004.0000.P.000.000.png ボディ0の基本パターン。表情は表情0と同じ
0004.0000.P.000.000_.png ボディ0のマスク。
0004.0000.P.002.000.png 耳アニメパターン0。この画像は0004.0000.P.000.000.pngとまったく同じ
0004.0000.P.002.000_.png 耳アニメパターン0のマスク。
0004.0000.P.002.001.png 耳アニメパターン1。
0004.0000.P.002.001_.png 耳アニメパターン1のマスク。
0004.0000.P.002.002.png 耳アニメパターン2。
0004.0000.P.002.002_.png 耳アニメパターン2のマスク。
0004.0000.P.002.003.png 耳アニメパターン3。
0004.0000.P.002.003_.png 耳アニメパターン3のマスク。
0004.0000.P.002.004.png 耳アニメパターン4。
0004.0000.P.002.004_.png 耳アニメパターン4のマスク。
0004.0000.P.002.005.png 耳アニメパターン5。
0004.0000.P.002.005_.png 耳アニメパターン5のマスク。
00040000P002c.png 耳アニメパターンを、LAYER-2に描画する際に適用されるマスク。
このマスクは、パターンがボディに書き込まれるとき、次の動作をします。
1.パターンそのものにこのマスクを適用してボディ本体へ描画
2.パターンのαにこのマスクを適用してボディ本体のαへ描画
このマスクは、パターンのどの部分を抜けばよいのかPCには判らないことと、作られる頻度が低いことから、 アニメーションパターン画像をツールで切り出した後、その1パターンの大きさに合わせて手作業で作らなければなりません。 抜く部分を黒、描画する部分を白とした、通常のグレースケールマスク画像です。
0004.0000.F.000.png 表情0。この画像は0004.0000.P.000.000.pngとまったく同じ
0004.0000.E.000.000.png 表情0の目パチ1枚目。この画像は0004.0000.F.000.pngとまったく同じ
0004.0000.E.000.001.png 表情0の目パチ2枚目。
0004.0000.E.000.002.png 表情0の目パチ3枚目。
0004.0000.M.000.000.png 表情0の口パク1枚目。この画像は0004.0000.F.000.pngとまったく同じ
0004.0000.M.000.001.png 表情0の口パク2枚目。
0004.0000.M.000.002.png 表情0の口パク3枚目。
0004.0000.F.001.png 表情1‥‥以降省略
参考